"シンデレラ" 完全版 前編


美汐SS…ていうか、あゆSS…ていうか…しおりん…
…ま、いいや、どうでも(苦笑)

おバカSSの完全版
完全じゃないバージョンはどこにあるかって?
それは…あのお星さまだけが知っているのさっ(ばきっ)

…では、読んで後悔しても、当方は一切関知しませんっ!(無責任モード)

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"シンデレラ" 完全版 前編
 

むかしむかし、あるところに、シンデレラという名前の娘がおりました。
この娘は非情に…

「………」

…非情に…

「………」
 
 

えっと…
 

「………」
 
 
 

いえ、『非常に』美人だったんです。
そうなんですっ
ええ、そうですともっ

「…分かればいいのです。」

…はぅ(涙)

えっと…非常に美人だったのですが、お母さんを早くに亡くしてしまったのです。
可哀想に、不慮の事故で。

「…ふふっ」

…事故…ですよね?

「……公式書類上は。」

…違うんですか?

「………聞きたいんですか?」

えっと…
 
 

「……本気で、聞きたいんですか?」
 
 
 

………
 
 
 

…いえ、話を続けます(滝汗)
さて、それからしばらくして、お父様はまた奥さんを迎えました。

「……まあ、あの人もまだ若いんですから、性欲の…」

…すいません、美汐さん。

「…役名でちゃんと呼んでください、シンデレラと。」

…ていうか、これ以上、進行に茶々を入れられたら、もう…続けられないっす(涙)

「……茶々とはなんですか、茶々とは?真実ですよ。」

…ていうか、これ以上、進行に真実を入れられたら、もう…続けられないっす(涙)
これでいいっすか?

「…それでいいのです。では…」

…実家に帰らせていただきます。

「…逃げられるとでも?」

………

「………」

………

「………」

……お願いします、しばらく…黙って進行させてください(号泣)

「…仕方がありません。では…」

……ほっ
 
 

えっへん
そんなわけで、新しいお母さまができたシンデレラでしたが、このお母さまがシンデレラのことを、とっても…

「あ、みっしおぅ!」
「…真琴。」
「うん!ほら見て見て、このドレス。えへへ…似合う?」
「真琴はかわいいから、何を着ても似合います。
「そ、そう?えへへー」

…好いてるんですね?

「うん!」
「……当然です。」

これ…シンデレラのはず…ですよね?
……原作がぁ(涙)

「…続けないのですか?」
「そうそうっ!」

………はぁ

で、その…
えっと、この真琴お母さまには二人の娘がおりました。
その名を、栞とあゆという…

「…うぐぅ。なんか嫌な予感…」
「ううっ、お姉ちゃんがいないと思ったら、また陰険な人と姉妹だなんて…」

…栞さん、あなた、二つの意味でチャレンジャーですね。
これからどうなっても、わたしは知りませんからね。ええ。

ともかく、この二人の義理の姉が、シンデレラのことを事あるごとに、いじめ…

「…シンデレラ、ちょっと…」
「……なんですか、あゆお姉さま。」
「………」
「………」
「……うぐぅ」

…既に半泣きですけど…
原作のためですっ!頑張ってくださいっ!!

「…えっと…シンデレラ…」
「…はい。」
「…そこの暖炉、まだ…」
「………」
「…まだ、その…汚れて…」
「………」
「……汚れて…」
「…それが、何か?」
「………」
「………」
「………」
「………」
「……汚れてるので、ボク、掃除しときます。」
「…頑張ってください。では…」
「………うぐぅ〜〜〜〜〜〜」

……いじめられてるわけですねえ…
…原作が(涙)

まあ…あゆさんでは少なくとも役不足、きっと役たたずだとは思ってました。
でも、栞さん…

「……死んでやるわよっ」

…それは某"ファイト"なしおりんです、栞さん…

「ようし、こうなったら…」

その意気です、栞さん!
そのまま、原作通り…

「…シンデレラさん、肩が凝りませんか?わたし、肩をもんであげようかと思うんですけど。」
「…ありがとうございます、栞お姉さま。」

…栞さん、あなた、メインヒロインのプライドは…

「そんなもの…食べても美味しくないですぅ…」

…いや、食べ物じゃないんですけど…
そうじゃなくて…

「…そんなプライドなんてもの、あの姉を持った時点で捨てましたから…」

…そうだったんですか?
いや…確かに…
 
 

バキバキバキ
 
 

…いえ、何でもないですぅ…
わたしも命、惜しいですからっ

ともかく…話を続けましょう!
…つーか、既にどんな話なんだか分からないんですけど(涙)
 

さて、この国の王様には一人の王子様がおりまして、まだ結婚していませんでした。
…なんでかっていうのは、そのうちきっと本人から聞くとしまして…

「…なんですか、そのいい加減な説明は?」

えっと…実は伏線です。

「珍しいですね、あなたの話できちんと伏線を引いてあるなんて。」

……ほっとけっ(号泣)

…ともかくっ、そんな王子様の結婚相手を探すためにですねっ、舞踏会が催されることになったんですっ!

「…ヤケにならないように。」

誰のせいだと思ってるんですかっ?

「…自業自得」

………はぅ(涙)
ともかくですね…

シンデレラのお家にも、そんなお城からの舞踏会の招待状が来ました。
…ラッキーなことに、シンデレラとお母さまが街に買い物に出かけていた時に届きました。

「…見て、栞ちゃん。」
「……舞踏会ですね。」
「ええ。」

きら〜〜〜ん

「…もしもボクたちが、王子様の目にとまって…」
「…后に…とか言われたりしたら…」
 

がしっ
 

「…この悪夢の生活から、抜けだせるんだよっ、栞ちゃん!」
「…そうですっ!頑張りましょう、あゆちゃん!」
「うん!」

…すいません、あなたたち…シンデレラの義姉なんですけど…

「この悲惨な生活から抜ける、最後のチャンスかもしれないよっ」
「そうですよね…毎日毎日、朝から晩までシンデレラにこき使われて…ベッドメイクから、食事を作ったり…」
「うぐぅ…ボクなんか、床の拭き掃除から始まって、玄関掃き…靴磨き…その上、お風呂掃除に、トイレ掃除…」

「…が、まだみたいですけど、あゆお姉さま」
 

がたたたん!
 

「しっ、しっ、しっ、シンデレラっ!」
「い、い、い、いつ帰ったんですか!?」
 

慌ててあゆさんと栞さん、シンデレラに向き直りました。
…しかも、直立不動。
いったい、シンデレラって…

「…別にわたしは、お姉さまたちに強要した覚えはありませんが。」
「も、もちろんだよ、シンデレラ。ボ、ボクたちが勝手に、好きでやってるんだよっ、ねえ、栞ちゃん!」
「そ、そうですぅ…」
「……なら、いいのですが。ねえ、真琴」
「うん!二人とも…頑張ってるもんねっ!」

…そういうことではないと思いますけど、真琴さん…
 

こそこそ

「…ねえ、栞ちゃん…」
「…なんですか、あゆさん…」
「このまま、シンデレラに気付かれずに舞踏会に行かないと…」
「…わたしたちの彼岸が、夢のまた夢になってしまいますぅ」

えっと、栞さん…『彼岸』じゃなくて、『悲願』でしょう、それを言うなら。
…まあ、今は合ってる気もしないでもないですけど(苦笑)

「どうしよう…どうごまかす?」
「そうですねえ…」

二人、ない胸を…
…もとい、ない頭を絞って考えてます…
そうです、考えてもらわないと、原作が…

「…よし、ボクに任せて!」
「…大丈夫ですか、あゆさん。」
「うん。きっと…大丈夫だよっ!」

トップバッターはあゆさんのようです。
さあ、頑張ってください。輝かしい未来のためにっ!!

「…し、シンデレラっ!」
「……なんですか?」
「………」
「………」
「………」
「………」

…だから、半泣きにならないでくださいってば…あゆさん…

「…ボ、ボクたちの方が、素晴らしいSSがいっぱいあるんだいからっ!例えば…」

…ストップ。そこまで。

「…なんで止めるのっ」

…それは他の人のネタだからです。

「…え?」

はっきり言って、K○rieさんの『チ○○ー』ですから…却下。

「ううっ…いけると思ったのに…」

思わないでください…それじゃあ、まるで…

「…あなたの発想の貧困さがバレバレですね。」

………シクシクシク
だから却下だったのにぃ…

「…でも、ここまでネタにする…既に人間として失格です。」

………え〜〜〜〜〜ん…おうちに帰るぅ…

「…どうぞ。」
 
 

………
 

あ〜〜〜
えへん
あゆさん…却下です。元に戻って、もう一回、よ〜〜〜く考えてください。
でないと、わたしが………(号泣)

「…いけると思ったのにぃ…」

いけないんですっ!

「…うぐぅ…」

もう…これだからあゆさんは…
こうなったら、栞さんに期待です。
栞さん、さあ、行っちゃってくださいっ!!

「…はあ。分かりました。わたしが…犠牲になればいいんですねっ!」

いえ、別にそこまで言ってないです。

「…ううっ…そうしてわたしが犠牲になって、あんなことやこんなこと、あまつさえあ〜〜んな事までされて、恥辱の涙とピーでピーなピーーーーーーをピーーーーーーーから流すわたしを、あなたたちはせせら笑って見ていようと、そういうことなんですねっ!!」

…ていうか、KanonSS倫理協議会による公衆の面前での良俗に反する表現の削除、略称カノ倫カットになる発言はやめてください、栞さん。
だいたいが、何を言ってるのか、皆さんにも不明になりますので…

「ああ…ひどい…ひどいですぅ…ひどすぎますぅ!ピーーーにピーーーされてもう動けなくなったわたしを、ピーーーなピーーーでピーーーを思い切りピーーーされて、思わず泣き叫びながら、わたしはいつしかその行為に快感を覚えていく…いけないっ!ダメっ!ダメですぅ!」

…ダメなのはあんただっ!しおりんっ!!

「……ひ、ひどすぎる!あんまりですぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」

…叫んで、栞さん、走り去りました。
シンデレラも真琴お母さまも、もちろんあゆさんも、呆然とその姿を見送り…

……

…おや?
これはひょっとして…

……

やっぱりです。
栞さん、いつの間にかドレスを持って遁走の模様です。
さすがはしおりん。
その手があるとは、少なくともあゆさんは知りませんでした。

「…うぐぅ。栞ちゃん…ずるい…」

敵を欺くにはまず味方から、と言いますからね。

「よし、じゃあ、ボクも…」

あゆさん、ぐっと手を握りしめました。
…しかし、同じ手が二度通じる相手ですかね、シンデレラは…

「…みんな、ひどいよっ!」

いきなり言って、あゆさんは振返ると、脱兎のごとく…
 

ベシャン

「…うぐぅ」
 

…いきなり、こけて、顔、打ってます、あゆさん…
見ると、スカートの裾を誰かが踏んで…?

「…あゆお姉さま、どこに行くのですか?」
「…うぐぅ。えっと…」
「………」
「………」
「………」
「………」
「………トイレの掃除に行こうと思います。」

…あゆさん、泣かないでください。
シンデレラだって鬼じゃありません。
きっと、あなたも舞踏会に…

「…トイレ掃除の次は、屋根の雪下ろしもしておいてくださいね。栞お姉さまが逃亡したので。」

…シンデレラ、あんた…鬼かっ!

「………なにか言いましたか?」

……いいえっ、何にもっ

「………さあ、あゆお姉さま…いつまでそんなところで寝てるんですか。」
「………」
「ほら、早く立ってください。床が汚れます。」
「…うぐぅ」

あゆさん、なんとか起き上がってトイレへ向かいました…

泣かないでください、あゆさん。
きっとそのうち、あなたの目の前に魔法使いさんが現われて、あなたを舞踏会に…

…って、それはシンデレラですね。
あなたの場合は、もちろんそんなことは起こりません。
安心して掃除に励んでください、あゆさん。

「…………うぐぅ〜〜〜〜」
 
 
 

さて、一方、こちらはまんまと抜け出すことに成功した栞さんですが…

「…うふふ…やったわ、ですっ…」

何やら、自分の成功をかみしめている模様です。
そりゃあそうでしょう、今のあゆさんの惨状を考えると…

…でも、帰ったらその惨状が栞さんにも…
いえ、それに倍して悲惨な状況になるんではないですか、シンデレラの性格からして?

「…ふっふっふっ…それはないです!」

お、はっきり言い切りましたね、栞さん。
何か勝算でも?

「ふっふっふっ…よくぞ聞いてくれました…ですっ!そう、わたし…絶対に王子様の目にとまって、きっとお后にとプロポーズされる自信があるんですっ!!」

…何か、嘘臭い自信ですね…
Kanonで一番胸の小さいあなたに、どこからそんな自信が?

「…ふっふっふっ…生まれてこの方、そのセリフを言われ続けて数10年…どんなにわたしが悩み、苦しみ抜いたことか…豊乳パッド…マッサージ機…そう、お金を注いでも大きくならなかったこの胸…」

…そこまで気にしていたとは知りませんでした。
でも栞さん、数十年って…あなた、いったい幾つなんですか?

「気にしないでくださいっ!気持ちの問題です、気持ちのっ」

…はあ。
えっと…それで?

「それで…でも、それがやっと役に立つ、その時が来たんですぅ!」

…どういうことですか?

「そう…うふふふふふ…実は…」
 
 
 
 
 
 
 

「実はこの国の王子様は、ロリコンだって噂なんですっ!!!」
 
 
 
 
 
 
 
 

…はあ?

「だから…あゆさんが一緒に来たらまずかったんですけど…しめしめですぅ!」

…女の友情なんて、こんなもんなんですねえ…

「もちろんですぅ!ともかく、これでわたしが選ばれることは、まず間違いないですっ!」

そうですかねえ…
みんなもそれを知っているということは、きっとみんなそれなりに対策をしてくると思いますから…

「ふっふっふ…それも考え済みですから。そのために…とっておきのものを用意しましたからっ」

…なんですか、そのとっておきというのは?

「ふっふっふ…それはっ!」

お、栞さん。例のポケットに手を突っ込んで…
 
 
 

ぱんぱかぱ〜〜〜〜〜ん
 
 
 
 
 
 
 
 

「タケ○プター!」
 
 
 
 
 
 

…だから、栞さん…
あなた、そういう著作権違反ぎりぎりのネタはやめなさい。
ていうか、引っかかってます。

「…間違えました。そうじゃなくて…これですっ!」
 
 
 

ぱんぱかぱ〜〜〜〜ん
 
 
 
 
 
 

「この…ロリコンの本能をくすぐるとっておきの衣装ですっ!!」
 
 
 
 
 
 

…ていうか、栞さん、それ…
幼稚園の園児服では…

「そうですぅ…これでロリコンを悩殺よっ!」

…キャラが違ってるし…
ていうか、その年でここまでその制服が似合う人なんて…わたしはあゆさん以外には知りませんけど(苦笑)

「そうですぅ!だから、あゆさんには涙を飲んで脱落してもらいました。さあ、これでわたしはこの国の女王になったも同然…」

…ちょっと違うと思いますけど…
ていうか、栞さん。あなた、ロリコンというものをちょっと誤解してませんか?

「いいえっ!ロリコンなんて、幼稚園児の後をつけ回し、あまつさえ、一人出歩いている園児がいたら、その前に立ちはだかるや、ピーーをピーーーしてピーーーーー」

…何度言ったら分かるんですか、栞さん。
カノ倫カットは…

「その上抵抗できないと見るやピーーーーーーああ、ダメダメ、ダメですぅ…」

…だから、ダメなのはっ
 

「あんたよっ!」
 

ぱこーーーん
 

「痛いですぅ…もう、いったい、誰で…………ええっ!!」
 

叩かれた頭を押さえて、振り返った栞さん…
固まってます。
ええ、凍ってます。
 

「…まったく、恥ずかしい女ね、あんたって…」

「…お姉ちゃん…」
 

…あれ?
香里さん…ですよね?
でも、その派手な格好…

「ふっ。華麗な男装の麗人と呼んでほしいわね。」

男装の麗人…
えっと…ということは…
 
 
 
 
 
 
 

「そう。あたしがこの国の王子なの。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 

………はい?

えっと…
 
 
 
 
 
 

(しばらくお待ちください)
 
 

(ただいま処理しております))
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ぴかっ   <頭に電球が光ってると思ってください
 
 
 
 
 
 

…そうなの?
そういうことなの?

だから、まだ王子様は独身で、后を探している…そういうこと?

「ええ。もう、ここの法律ったら古くて…女と女の結婚を認めてくれないのよね…」

…ていうか、おとぎ話ですからしょうがない…
って、話聞いてます、香里さん?
香里さん?
 

「………ふふふっ、でも…」
 

聞いてないし(涙)
香里さん、園児服の栞さんを、頭から足のつま先までじろじろ見てるし。
 

じゅるるっ
 

…何でしょう、その舌なめずりは?
 
 

「……あなた…」
 

びくっ
 

「……かわいいわね。」

じゅるじゅる
 
 
 

「あ、あははははは…」

栞さん、引きつってますね。

「な、何を言ってるんですか?わ、わたしなんて…」
 

「いいえ。その幼児体形…出っぱりのない胸やお尻、くびれのない腰、そしてぴったり合わせようとしても隙間のできるリカちゃん足…あなた…」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

「きっと、縄が良く似合うわよ。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

「うぐぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

…栞さん、それはあゆさんのセリフです…

「いやっ、やめてっ!!」

栞さん、必死な形相になってます。
じりじり寄ってくる香里さんから、後ずさりで逃げようとしてます。

でも、香里さんの魔の手が、しわりじわりと…
 
 

「栞ちゃ〜〜〜〜〜〜〜ん…おとなしく…王子の物になりなさ〜〜〜い。大丈夫。奴隷としてかわいがって上げるわ…」

「やめてっ、やめてくださいっ」

「ふふふ、どうしたの…どうして逃げるのぉ…」

「……嫌ですぅ!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

「お姉ちゃん、わたしたち、実の姉妹なのよっ!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

「大丈夫。ここじゃ、そうじゃないから。」
 
 
 
 
 
 
 
 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 
 
 
 
 
 
 

「さあ、この首輪をしてあげるから…」
 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 

「…ふふっ、ほんとにかわいいわ、あなた。あたしの…加虐心をそそるわよ。」
 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 
 
 

ずるずるずる
 
 
 
 

こうして栞さんは王子様に引きずられて、お城へと向かったのでした。
よかったですね、栞さん。
王子様に目をつけてもらって。
 
 
 
 
 
 
 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 
 
 
 
 
 
 

「…あれ、今…何か聞こえたような…」
 

と、耳をすましている、こちらは…屋根の上の雪下ろし娘、あゆさんです。
一応、姉妹ですから、やっぱり危険な時には呼び合うとか、そういうことがあるんですね。
では、あゆさん、さっそく栞さんを…
 

「…どうして手を止めているのですか?」

「うぐぅ…」

…さすがはシンデレラ。
あゆさんが屋根から降りようとしたちょうどその時に現われましたね。
あゆさん、既にビビってます。

「えっと…い、今、何か聞こえたような…そんな気がしない?シンデレラ?」

「…そんな言い訳はいいですから、さっさと雪を下ろしてください、あゆお姉様。そこが終わったら、今度は納屋の屋根です。」

「………うぐぅ」

「そうそう。頑張ってね、あゆちゃん。」

「…うぐぅ…真琴ちゃん、お母さんなのに…」
 

…気がついたって、あゆさんじゃ無駄なようです。
ご愁傷さま、栞さん。
 
 
 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 
 
 

…まあ、これで話をややこしくする要素は減りました。
あとは…

「さ、ご飯を食べて…寝ましょうか、真琴。」
「うん!にっくまん、にっくまん〜〜」

こうしてシンデレラと真琴お母さまは、幸せにくらしましたとさ…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

…あれ?
えっと…
 

そう、そうですよ。
このままじゃ、原作が…

うーん、どうしましょう…
とりあえず、シンデレラが眠る前になんとか、舞踏会に行ってもらわないと。
第一、魔法使いさんはどうしたんでしょうね?
ちょっと様子を…

「ちょ、ちょっと、ボクはどうなるの?」

…あゆさん。えっと…

「ねえ、ボクは…」

……あゆさん。

「…うん。」

…あなたはシンデレラのお姉さんですよね。

「うん。」

ですから…これからしばらく、出番、ありません。
思う存分、雪下ろしをしててください。

「……え?」

じゃあ、あゆさん、頑張ってください。

「ちょ、ちょっと…」

さて、一方その頃…
 
 
 
 
 
 

「うぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」
 
 
 
 
 
 

…何か聞こえたようですが…とりあえず先へ進みましょう!!

さて、その頃、魔法使いさんは、かわいそうなシンデレラが舞踏会に出られるように、シンデレラのお家に向かって…
 
 
 
 
 

「…今日も暇ですねー、舞。」
「………」こくり

…何やってるんですか、魔法使いさん…
どうして遣い魔の黒猫の化身、舞と一緒にお茶なんか飲んでるんですか?
えっと…魔法使いの佐祐理さ〜〜〜〜ん

「ほら、舞、見てください。佐祐理のお茶…茶柱が。うらやましいですか、舞?」
「………」こくり
「あははーっ、じゃあ、もう一杯、お茶を飲みましょう!」
「………」こくり

佐祐理さ〜〜〜〜〜ん

「さあ、舞、今度のお茶はジャスミンティーで…」
「………」こくり
「あははーっ、佐祐理、まだ説明し終わってないですよー」
「………」こくり

…中継の、倉田佐祐理さ〜〜〜ん

「はい、こちらは中継の倉田佐祐理ですっ!えっと、ただいま、佐祐理はですねー」

…聞こえてるんじゃないですかっ!
もう…佐祐理さん、サボらないでくださいっ

「あははーっ、佐祐理、サボってるわけじゃないですよ。」

じゃあ、何をしてるんですか?

「寝る前のお茶を飲んでいるんです。」

……寝てどうするんですか?

「さあ…多分、夢を見るんじゃないですか?ねえ、舞?」
「………」こくり

…そういうことじゃないです…
はあ。何か、この人と話すと疲れる…

「それはいけませんね。では、これをあげましょう。」

…なんですか、その…あからさまに怪しげな液体は?

「これは…飲むと元気が出る薬ですっ!」

………

「さあ、どうぞ、飲んでくださいっ!」

…やです。

「え?」

絶対に嫌です。

「……どうしてですか?」

どうしてじゃ…ないっ!
これは…絶対、怪しいですっ!
秋子さんの例のジャム以上に怪しいですっ!!

「……ひどいっ!それじゃあまるで、佐祐理が騙そうとしてるみたいな…」

ていうか、騙そうとしてるでしょ。

「…え?」

じゃあ、なんでコップを机に置いて、あなたたちは外から覗いてるんですか?

「……え?」

…『え?』じゃないでしょ、『え?』じゃ…

「………でも、元気が出るのは本当ですよ。絶対、間違いなしですっ!」

…その根拠は?

「だって、これはですね…猿のピーと、クマの肝と、それからピーのピーしたピーを、一緒に煮込んだ上に処女のピーーーーをピーーーーして、ピーーーー」

…ああ、派手にカノ倫カットされてるし…

「その上にですね、氷点下に冷やしながら濃硝酸と濃硫酸を3:1で混ぜたものをゆっくり滴下して、温度上昇がなくなった所で出来上がった…飲むと爆発的に元気が出るという、もうホントにすごい薬なんですっ!」

………

「………」

………

「………あははーっ」

………
 
 
 

(ゆっくりコップを持ちあげてます)
 
 

(ゆっくり、コップを傾けてます)
 
 
 

(一滴、中身が床に落ちていきます…)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

         ドカーン
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

………

「………」

………爆発的に元気が…出るわけですね?

「……あはははーっ、さ、舞、出かけましょう!」
「………」こくり

………

「では、出発…テレポート!」
 
 
 
 
 
 

ぼわん
 
 
 
 
 
 

………ギャグじゃなきゃ、死んでるぞ…

…はあ。ともかく、これで…

………

「………」

……何してるんですか?

「…あははーっ、考えてみたら、佐祐理、テレポートの呪文、知りませんでした。」

…じゃあ、別の呪文で移動してください。

「はいっ。じゃあ、舞、行きますよ…ティルトウエ…」

やめんか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!

「……え?」

『え?』じゃないっ!それじゃ、核爆発しちゃうでしょうがっ!

「…しょうがないですね…じゃあ、マリク…」

やめんかっ!もう…Wiz○rdlyネタはやめましょう。

「じゃあ、ベホイミ…」

……それはドラ○エです…

「じゃあ…」

一応言っておきますけど、『イロイッカイヅツ』とか『コワス カベ』なんてのも却下ですから。

「……なんですか、それ。舞…知ってる?」
「………」ぶんぶんぶん

……ごめんね、ネタが古くて(涙)

「………」じろり
「………」じろり

………はぅぅぅぅぅぅ

「……さ、行きましょうか、舞。」
「………」こくり

…あの…どうやっていくんですか?

「もちろん!倉田家の自家用車です。じゃあ、頼みましたよ、執事。」
「はい。かしこまりました。」

…て…あの…これ、シンデレラで、おとぎ話なんですよって…お〜〜〜〜〜い
 
 
 
 
 
 

スーーーーーーーーーー(高級車なので音が静かですっ)
 
 
 
 
 
 

…行っちゃうし。
何か…全然おとぎ話じゃない気がする…
……はぅ。
これから…ホントに話、続くのか?
すっごく不安なんですけど…
 
 

<不安なまま、後編に続く>

-----
…筆者です。
「仕切り屋・美汐です。」
…ていうか…これはなんでしょう?
「………」
…まあ…きっかけは某所の某屋根裏部屋の某SSなんだよね…ご本人の名誉のために、名前は出さないわけだけど(苦笑)
「………」
…で、その方のとある記念に贈呈版を書いて…これはその完全版なんだよね。一応、このあたりまでが贈呈版に書いた範囲で…ここからが新しい領域へっ!
「………」
……美汐さ〜〜〜〜ん、なに黙ってるんですか?
「………呆れてるんです。」
………ま、気持ちは分かります。
「………よくこんなもの、人前に出せますね?」
…まあ、某"ファイト"を表に置けるわたしに、恥などというものはない!!
「……ホントに…」
………マジで言わないでぇ…何か寂しいよう…
「………」
………とりあえず、後編は近日ってことで…
「……まだ書くんですね。」
…書くわいっ!完結まで書く!あまつさえ、ウケたらシリーズに…
「……死になさい。」
…はぅ…

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