Christmas Candle


栞SS。クリスマス。

では、どうぞ

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Christmas Candle
 

祐一さん。
このキャンドルが、わたしだったんですよ。
 

そう言ったら、祐一さんは変な顔をしました。
 

確かに、変に聞こえるかもしれないけれど
でも、本当にそうだって、去年は思っていましたから。
 

一生懸命輝いても
お日さまには勝てないし
電灯の下でも目立たなくて
それでも一生懸命輝いて

だけど
去年のクリスマスの日に
自分がもうすぐ消えるって知ってしまったから

自分がそんな短いCandleなんだって。

だけど祐一さんと出会って。
 

だから、Candleらしく
最後に力一杯輝いて
一週間、精いっぱい燃えて
そして燃え尽きて
消えるはずでしたから。
 

そんなことを言ったら
祐一さんはわたしの顔を見ました。

そして、わたしの頭をぽんぽんと叩いて
目の前のケーキのキャンドルを見つめました。
 

なあ、栞。
こんな小さなCandleでも
こうしたら…
 

言って、電気を消しました。
そして

Candleの炎の光の中で

揺れる光の中で

わたしを抱きしめてくれて
 

明るく輝く、主役だから。
オレには。
 

そして、キスしてくれました。
 

それから、一本ずつCandleを消して
小さな箱に仕舞いました。
 

来年もまた、このCandleでクリスマスを祝いましょう。
そう、約束して。
 

そして、もう一度
祐一さんは
わたしは
キスをしました。
 

月が
雪に反射した光が
部屋をぼんやり明るくしていました。
わたしたちを包んでいました。
 

また来年も、わたしは輝きますね…
 

"END"

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…筆者です。
「仕切り屋・美汐です。」
…栞、ぎりぎりセーフか?
「…一応、25日がクリスマスですから。」
…それは、オレにまだ書けという意味か?
「…別に。」
…舞は…無理っぽい…ていうか、無理だね。 inserted by FC2 system