『朝方』『手を振る朝』について


栞です。
わたしが初めて、愛し始めた栞です。

わたしはKanon本編であれ、他の人の書いたSSであれ、栞を愛せたことがなかった。
わたしは栞シナリオが嫌いでした。
栞が嫌いでした。
だから、うんざりして栞関係のSSは斜めにも読まずにいた。

でも、この話を、なぜか読む気になった。
なぜか分かりません。掲示板のリストでは栞だということが分からなかったこともあるでしょう。
Korieさんという人のことは、読んだことはありました。
でも、そんなに大好きな作家さんではなかった(すいません)
でも、読んだ。

ショックを受けました。
この栞。
わたしは当時、Lunatic/Moonlightを書いた後でした。
香里に狂気を設定し、追求する事で香里を愛するようになった後でした。
でも、栞に狂気を設定する、それはしようと思っていなかった。
でも…

わたしは、見てしまった。
栞シナリオという美しい嘘の裏で、仮面をかぶった栞の、その仮面の後ろの姿。
これは…わたしの愛せる栞かもしれない。
わたしが愛したい栞の、愛せる姿かもしれない。
わたしは感じました。
そして、そんな栞をここまで優しく、しかし狂気に落ちている姿を見事に描いてくれたKorieさんに注目し始めました。

その後、わたしの中にこの栞は住み着き、成長し、
Korieさんに捧げた『月がわたしを呼んでいる』という、できはあまり良くないですが、
わたしの愛せる栞をわたしが書き始める出発点となるSSを書きました。

そして…『Forget me, Forgive me』が、あの醜い栞が生まれました。
醜い、しかし人間だって、わたしが抱きしめることができる、わたしが愛せる栞が生まれました。

でも、だからあの栞の生みの親は、Korieさん、あなたです。間違いなく。
…残念ながら、育ての親が歪んでいるために、あんな酷い栞に成長してしまいましたが。
わたしは育て親としては失格もこのうえないですね。でも…
本当にありがとうございます。この栞を生んでくれて。 inserted by FC2 system