時計

 
    
    “時計”
 
 

 教室の喧噪をよそに、私は窓から外を眺める。
 他の人達が話しているような話題なんて私にはどうでもいい。
 私と、他の人達とは、決定的な溝がある。
 同じ空間にいながら、私は同じ時を歩んでいないのだ。
 
 
 

 時が止まった私の時計。
 ……ううん、違う。
 私が止めたんだ。
 怖い。
 前へ進むのが。
 全てを思い出にしてしまうのが。
 だから、私は――
 
 
 

 
 でも、私は出会ってしまった。
 あの子に。
 そして、私と同じ道を歩もうとしているあの人に。
 
 
 
 

       ゆっくり、ゆっくりと、時計の針は回り始める。
 
 
 

 
 私は、前に進んでもいいですか?
 

 歩き出してもいいですか?
 

 貴方との事を思い出にしてもいいですか?
 

 ねえ――
 
 

 回りだした歯車は、止まらない。
 加速し続け、回る。
 
 
 
 

       私の時計は、時を刻み出す。
 
 
 

 もうこれ以上留まれない。
 この場所には。
 
 

 小さな一歩。
 小さな、だけどとても大きな。
 
 
 

 私は、これからきっと、まだ見ぬ季節を歩いていく。
 

 だけど、時々振り返るくらいはいいでしょう?
 

 貴方を思うことくらいはいいでしょう?
 

 だって――
 
 
 

 貴方は、確かにここにいたのだから。
 
 
 
 

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  こんにちは。
  香里「予告と違う……」
  ……美汐が書きたかったんだー
  香里「しかも、なんか……」
  言いたいことはわかるぞ、これは前にあった「祈り」の焼き直しみたいなもんだ
  香里「次は?」
  次こそは
  香里「ホントに?」
  ああ、もうできてるからな。
  香里「……だ、そうです。それでは、しーゆー♪」
 

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