(注) たぶん書いている本人が一番痛いSS(笑)『イヤかの』の第5話です。
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隣の部屋の声が収まった。
俺は、丸めたティシューをごみ箱に投げ入れ…
ビデオのスイッチを止めた。
最近の俺の日課だ。
今では、覗き穴にCCD(アキバでGET)を取り付けて、毎回ビデオに収めている。
(犯罪なのでよい子はまねしないで下さい)
「はぁ…」
モニタを見ながら、ため息をつく。
ため息も出るだろう。毎日毎日好きな女の子がやっているのを見ているんだから…
でも…この時の名雪は、普段の幼さを残した可愛さに、女の美しさも加わって…
…………あの笑顔の隣にいるのが俺でないことが悔しくてたまらなかった…
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ある日、斉藤が帰った後、俺は前から疑問に思っていた事を聞いてみた。
「名雪、お前と斉藤っていつ頃から付き合ってるんだ?」
こんな関係だから、もうかなり付き合いは長いものだと信じ込んでいた。
「えっとね〜、祐一が来る前の日だから…」
「ちょ、ちょっと待てっ!!!俺が来る前の日!!!???」
「うん。そうだよ?」
「それで…どうしてあんな関係なんだ?」
「あのね…」
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祐一が来る前の日、部活帰りに道を歩いていたら、猫さんがいたんだ。
猫さんを追いかけて、近くの家に入っちゃって…
その家の庭で3時間くらい猫さんと遊んで…
遊びつかれて、つい寝ちゃったの。
そこが偶然、斉藤君のうちだったんだよ。
気が付いたら、わたしは裸でベッドに寝ていて…
隣で斉藤君がタバコを吸ってたんだ…
「強姦だーーーっ!!!それはーーーっ!!!!!」
「それが、わたしと斉藤君のなれそめ、だよっ!」
「それで、どうやったら付き合う事になるんだっ!!!」
「だって、わたし……」
「好きになる人は、初めての人って決めてたから(はぁと)」
「逆だーーーーーーーーーーーーーっっっっっ!!!!!!!!!!」
なんてこった…
俺がもう一日早く来ていれば、こんなことにはならなかったのか?
そうすれば、俺と名雪が付き合っている可能性もあったのか?
こんな世界は狂っている。
そうだ、こんな状況はおかしいんだ。
俺が他の女の子と付き合う事があっても、
名雪が他の男と付き合うなんて事があるはずが無い…
だから…………
今は午前2時。
名雪はとっくに夢の中だ。
俺は名雪の部屋のドアを音も無く開け…
けろぴ〜を抱いて眠っている名雪のベッドの横に立った。
「名雪…」
7年間…いや、それより前から思いつづけていた女の子。
斉藤の事が本当に好きなら、俺は名雪の幸せを願って、黙って手を引くつもりだった。
でも…
あんな事を聞かされたら、諦める事なんか出来やしない。
その結果、名雪を悲しませる事になったとしても…
俺は、名雪を俺のものにしたい…
だから…俺が…奇跡を…起こしてやる……
< イヤかの エピローグへ続く >
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どうも、と〜いです。
エピローグは夜に。
でわ。