IT'S LIKE A "JESUS PHOBIA"/lost graduation−4
 

< はじめに >

○この製品は

  [ 5.25型電波メルヘン音楽形連載ショートストーリー、 「 lost graduation 」 ]

 です。本製品は一般ショートストーリー(以下"SS"へ略)に属しますが、使用上のご注意などをご確認の上、細心の注意をはらってご
 使用ください。
 

< お願い >

○この度はお買いあげ(??)いただき誠にありがとうございます。本製品については万全を期しておりますが、万一、品質、パッケージ  
 に不都合、不快な点がありましたら、恐れ入りますが、ご自分で対処するようお願いいたします。
 

< 動作環境 >

○四畳半の和室または縁側推奨(緑茶付き)
○20分以上の空き時間(気持ちが不安定なときは、1時間以上推奨)
 

< 成分表示[ 第4話(約7KB)当たり]>
 

主成分   含有量

Kanon 1コ

世界    1コ

丘     1コ

空     1コ(青色限定)

沢渡真琴  1人

相沢祐一  1人

天野美汐  1人

シリアス  少量

らぶらぶ  極微量(いや、もう零だろう/汗)

詩     作者の精神状態による(只今試験期間中)

作者    作者の精神状態による(只今試験期間中)
 

< 使用上のご注意 >

○警告表示の意味

「 < 警告 > 」 ○この表示の注意事項を守らないと感電破裂等により死亡などの人身事故が生じます。

「 < 注意 > 」 ○この表示の注意事項を守らないと感電その他によりけがをしたり、損害を与えたりします。
 

< 警告 >

○分解や改造をしない。電波発生の原因になります。

○内部に水や汚物をいれない。爆発する可能性があります。

○強力な電波を発生することが稀にあります。老人、妊婦はご使用を控えて下さい。

○万一、異常が起きたら、変な音、においがしたら、煙が出たら、誠に申し訳ありませんがご自分で対処して下さい。
 

< 注意 >

○安全のため注意事項を守る。

○定期的に点検する。(1日1度は)

○小児の手の届かないところに保管すること。お子様がマネをすると大変危険です。

○本製品の使用により、悪心、嘔吐、眩暈等の症状が現れた場合はもう一度、使用上の注意などをよく読み、最初から改めて使用を開始し
 てください。
 

< 故障かな?と思ったら >

○他人のせいにしないで、まず自分を疑ってください。
 

< 最後に >

○あなたの健康を損なうおそれがありますのでSSの読みすぎに注意しましょう。

○SSマナーを守りましょう。

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 君を殺してまで、僕は " 泪 " を流そうとしている
 生きていてもいい、と君に言わせたとしても、僕は僕を赦すことなど出来るのだろうか

 無理に綺麗にならなくてもいいよ
 悲しみも、苦しみも、痛みも、そんなものは無くても

 そんなもの、無くても、僕は " kanon " を大好きなままでいることはできたはずなんだ 
 " 神さま(あなた)" だって本当はそうでしょう??

 あの時、僕の流した " 泪 " はとても汚れて見えた
 この後に生まれる " 似世物 " と " 見世物 " みたい

 すこしだけ、思い出して下さい
 

 " 神さま(あなた)" の " 泪 " もきっと、僕と同じでしょう
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

【  IT'S LIKE A "JESUS PHOBIA" / lost graduation−4  】
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 世界は綺麗なままだった、俺の息を詰まらせるくらい
 丘の上は俺と真琴の他には誰もいなかった
 今日は相変わらずの日射し
 太陽は二人を見下げて、憎くなるほど、眩しくて
 

 ざわめく商店街が恋しい日もあるけれど、俺は静寂を好むようになっていた
 人と言う存在をすこし苦手になっている、本当はそうなのかもしれない
 良い傾向ではないことは俺自身もわかっている
 でも、今はどうにもならないこともわかっている

 
 結局の所、俺は未だに留まって、身動きはとれないままで
 俺の外側だけ、窓の外側だけ、動いている、そんな錯覚を憶えている
 お留守番を頼まれて置き去りの子供を連想させる
 

 隣を見ると、真琴は無垢な顔して寝ていた
 俺は自分でもよくわからない、制御できない感情で塗り潰される
 そして、真琴に習うように隣に寝ころんでみる
 

 青い空は綺麗なままだった、ただ、それだけのことだった
 白い雲は不可思議な形をして流れている
 きっと、空の上に吹く風は優しいのだろう
 

 神さまというものは存在しているのだろうか
 なんとなくそんなことを考えてみる
 

 手を伸ばした、綺麗で、不思議なくらい寂しい青い空へ向かって
 俺の望む所へは届く訳もない
 俺の憎しみはどこにも逝くところはない
 この痛みを忘れられる訳もない
 

 だから、俺の頭上に神などはいないとあらためて思う
 
 
 もう、泣くことも少なくなった
 あれほど、嫌になるくらい、泣いた日、そんな日はもう、遠い昔のように思える
 俺は自分で思っていた以上に弱くて、誰も、包むことなどできなかった
 きっと、これからもそんなことはないのだろう
 

 瞳を閉じる
 
 

 そこには変わらない真琴の姿
 表情はよくわからない、よく見えない
 

「……どうして、なんだろうな」
 

 側にいるのに確実に触れられない距離にいる真琴に聞こえるようにそう言う
 

「……」
 

 真琴は何かを伝えようとしている
 口は言葉を紡ぐために動いている
 なのに
 真琴の声は聞こえない
 

 そして、その姿も見えなくなっていく
 消えていく
 その思い出も、温もりも
 
 

 ふざけるな
 
 

 俺はその姿を必死で追いかける
 それは記憶を繋ぎ止める行為に似て
 

 ……手さえ、手さえ繋げば…っ……!!
 

 空しく消える
 

 生まれるのは殺意にも似た感情
 理不尽な世界への憤慨
 憎しみ
 

 誰に対して?
 何に対して?
 

 誰の為?
 
 
 

「……さん、相沢さんっ」
 

 その声で俺は我に返る
 袖を掴んで、引っ張っているのは、何時の間にか隣に座っていた天野だった
 

「相沢さん、大丈夫ですか??」
 

「……あ、ああ、悪い」
 

 俺は軽くふらふらした頭でそう答える
 霧で包まれたような感じは拭えなかった
 

「何時からここにいたんだ?」
 

「……さっきですけど……相沢さんと真琴、きっとここにいると思いましたから」
 

「……全然気付かなかった」
 

「……本当に大丈夫ですか……??」
 

 天野は心配そうに同じ質問を繰り返す
 

「ああ、大丈夫だって、そんなに心配するなよ」

      
 俺はぽん、と天野の頭に手を置いて、髪を軽く撫でる
 天野は恥ずかしそうな、安心したようなそんな顔をした
 

「……良かったです、普段の相沢さんみたいです」
 

「は?? どういう意味だよ??」
 

「さっきの相沢さん、すごく怖かったですから……」
 

「……」
 

「……まるで、壊れてしまいそう……壊してしまいそうな……」
 

「……」 
 

 天野は曖昧に言葉を切ると、黙ってしまう
 俺もその事には触れずに沈黙を守った
 
 

「……ゆ…ういち……」

 
 もごもごと真琴の寝言が聞こえた
 

「……どんな夢を見ているんでしょう……」
 

 天野はそんなことを誰に言うわけでもなく、言った

 俺は愛おしくて、たまらなくなって真琴の髪を撫でて
 
 そして、真琴の胸のあたりに耳を当てる
 心臓の音
 真琴の生きている証

 目をつむって、その音を聞くと、不思議に落ち着いた

   
「……まあ、きっと良い夢、見てるだろ」
 

 俺は体勢を起こすとさっきの天野の言葉に応えるように言った
 天野は何故か顔を赤くしていた
 

「……? どした、天野??」
 

「……接吻するのかと思いました」
 

「……おいおい……無理な想像するなよ……」
 

 ……流石に天野のいる前じゃしないだろ……
 

「目覚めの接吻……王子さまの接吻で、お姫さまは目を覚ましました、童話であるじゃないですか、そういうお話」
 

「……天野……以外と少女趣味なんだな……」
 

「……以外と、は余計です」 
 

 そして、なんとなく、二人で……三人で、微笑った
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 ふと、青い空を見上げた、ぼんやりと
 空は眩しい
 あの頃と何も変わらない
 

 俺は一人ではないことを除けば
 何も変わらないから
 

 だから、こう思う
 
 
 

 血の雨でも降り出さないか、と
 
 

                                                【 to be continude...... 】

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ども、おこんばんは、あいえです。

試験期間中だというのに結局SSを書いてしまいました/汗

今回は更にとても短い/苦笑
何故なら、私は真琴が書けないからなのです/涙
一応、今回は真琴SSですよ、天野SSではないのですっ/滅

……ああ、真琴は難しひ……誰でも良いですので上手い描き方を教えて下さい/爆

それでは今回はこの辺で、あいえでした、さよーなら。 inserted by FC2 system