Pussy Cats(前編)
 

前回の投稿から半月以上経ってる…(泣)
一応続き物の美汐SSです。
良かったら読んでみてください。
 
 
 
 

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『Pussy Cats』
 
 
 
 
 
 
 
 

「美汐ちゃん、本当に嬉しそうでしたね。」
「そうですね…」
秋子さんへの用事を済ませたらしく、
「祐一さん、明日は素敵な思い出、い〜っぱい作りましょうね〜っ。」
などと、恥ずかしい事を叫びながら帰る天野を見送ってから1時間ほど経った。
俺と秋子さんは、既に食事の仕度の出来たテーブルに着き、ぼんやりと名雪の帰りを待っていた。
「名雪、遅いですね…」
陸上部なのだからいつも遅くて当然なのだが、もう部活の時間はとっくに過ぎているはずだ。
まあ、商店街に寄り道してるか何かなのだろう。
 

「…ただいま〜」
玄関の方から、なんともやる気の無い挨拶が聞こえて来た。
ようやく名雪が帰ってきた様だ。
「…何かあったみたいですね。」
秋子さんが何処と無く楽しそうに言う。
「え、分かるんですか?」
「ええ。」
…まあ、母親だし、何より秋子さんだからな。
なら試してみよう。
俺は座ったまま、玄関に向かって声をかけてみる。
「おかえり名雪ぃーっ!何かあったのかーっ?」
「なな、何にも無いよー、全然、誰からも、何にも言われなかったよ〜。」
…見事なまでに分かりやすい反応だ。
「何か言われたかなんて聞いていないんですけどねぇ…」
「まあ、名雪ですから…」
「…さて」
俺はスッ、と席を立つ。
「祐一さん、どちらへ?」
「いえ、ああいう反応を返されて何もしないってのは、ちょっと人の道に反するかな、と思いまして…」
「まったくです。」
俺と秋子さんは互いの目を見合わせ微かに笑った。
 
 
 

廊下に出ると、足音を立てないように階段を登ろうとしている名雪の姿があった。
「…なんでそんなにコソコソしているんだ?」
名雪の肩がビクッと反応する。
…やっぱり分かりやすい。
「わ、私、こそこそなんてしてないよ?」
「だったらなんであからさまに目を逸らすんだ?」
「気のせいだよっ!」
そう言い放ちながら逃げようとする名雪を、制服の襟首を掴んで引きずり戻す。
「苦しいよ〜。何で引っ張るの…?」
「お前が逃げるからだろうがっ!」
「逃げてなんか…いないよ……?」
急に、口調が訝しげなものへと変化する。
「祐一、それって…もしかして遊園地の券?」
 

名雪の視線を追ってみると、俺の手にあるチケットに行き着いた。
…チケット?
なんで持ってきているんだ?
もしかして俺、浮かれてる?
「…ああ、天野にもらったんだ。ほら、最近できたあの…」
「えっ!?祐一もあそこでデートなのっ!?」
「デートって言うなぁっ!…そうじゃなくてなんだ、どうせヒマだしタダだしなんだしなんかもうそういうモンだからって事でOKっつーかなんつーかそういう事でだな…、……………祐一『も』?」
「…あ。」
ここまで来ればさすがに、主人公ならではの鈍さを持った俺でも何があったかくらい分かるぞ。
「…誰に誘われた?」
「…えっと………」
視線をあちこちにさ迷わせている名雪。
「………えっと………、あ、かお…」
「…香里は無しだぞ。」
「………………………………………北川君。」
「………………………マジか?」
名雪は真っ赤な顔で俯きながら、頭を小さく縦に振った。
「…それで、返事は…?」
「一応、条件付きでOKしたんだけど…」
名雪は瞳を潤ませながら俺を見上げる。
…まずい。
何か、イヤな予感が体の中を駆け巡っている。
「…祐一、明日、一緒に行ってくれる?」
「…断る。」
「二人だと何話していいか分かんないんだよ〜。」
「別にいつも、平気で話してるだろうがっ!」
そういう問題じゃ無いのは分かっているが、それはこの際無視しておく。
だが、さらに何か言おうとした名雪は、急に勝ちを確信したかのような笑みに変わった。
「…二人っきりの方がいいんだね。」
「…なっ!?」
いきなり何を言い出すんだ…
「そうだよね、せっかくの二人だけの甘〜い時間を邪魔されたくないもんね〜。」
「絶対に違うっ!」
「…じゃあ一緒に行ってくれる?」
「……………分かった…」
 
 
 
 
 
 
 

「……………と言う訳で、名雪達と一緒に行くことになった。」
「じゃ、じゃあダブルデートって事ですかぁ?うわーっ、素敵ですぅ〜っ。」
「デートって言うなあっ!」
「素敵な響きですよね、ダブルデートって。2組のカップルがそれぞれの時間を共有する不思議な組み合わせ…。はぁ〜っ、ロマンティックですね〜っ…」
「だからデートって言うなよ…」
「えっ、違うんですか…?」
「別に、4人一緒に遊びに行くだけだろうが…」
「あ、分かりました〜。名雪さん達はまだ恋人同士じゃ無いから『ダブル』じゃ無い、って言いたいんですね?くすっ、ダメですよ〜、男の人がそんな細かいこと気にしてちゃ〜。」
「ちっとも分かってない…」
 

天野は置いといて…
駅の入り口。
俺と天野は9時にここで待ち合わせ、という事にしていた。
何故か二人とも8時前には着いていたのだが。
ゴールデンウィークの初日という事もあって、周囲はかなりの混雑を見せている。
俺は北川の姿を探してみるが…どうもいない様だ。
「名雪、北川とは何時に待ち合わせなんだ?」
「えっと、10時半に遊園地の入り口。」
「…って、ここじゃ無いのか?」
「うん。」
「どうして?」
「…だって、一緒にいる所、あんまり見られたく無かったから…」
「どうして。」
「だって…、北川君だよ?」
渋い表情で名雪が答える。
ここまで来ると、なんだか北川が不憫に思えてくるな…
「ふふっ、名雪さんって意外と恥ずかしがり屋さんなんですねっ。」
…何か違うと思うぞ。
「それより、そろそろ電車が来る時間だと思うけど。」
名雪が腕時計を見せながら言う。
「そうですねっ、ほら、行きましょ、祐一さんっ!」
「おいっ、腕を引っ張るなっ!」
 
 
 
 
 
 
 

俺達は電車に揺られ、のんびりと目的地を目指していた。
目的地までは、JR線で20分、そこから更に第3セクターにより運営されている鉄道で30分かかる。
ちなみに今は後者の方に乗っている。
俺はボックスシートの窓側の席に座り、隣に天野、向かい側に名雪、となっている。
 

ガタン、ガタン、とわずかに不規則な音を立てながら電車が走っている。
窓の外を、緑色に染まった景色が流れていく。
………のどかだ…
…とは言っても、決して乗客が俺達だけとかそう言うわけでは無い。
今日は俺達と同じ目的の乗客が大勢乗っている。
興奮を抑え切れない子供達がはしゃぎまわっていて、車内はかなりうるさかったりする。
だが、それを何の迷いも無く容認できる雰囲気がこの場には存在していた。
「…こういうのっていいよね〜…」
名雪が少し眠そうにしながら呟く。
俺も少し、眠気を感じていたりする。
世界が優しい空気に包まれたような、そんな感覚。
天野が新しく買ったと言っていた、ほのかに甘い香水の香りのせいもあるのだろうか。
 

「う〜、ねこさん〜…」
「ほんとだ、ねこさんですね〜。」
「ああ、ねこだな…」
ねこと言っても、別に本物の猫がいる訳じゃない。
ネコの耳に似せた飾り(恐らく下がカチューシャか何かの様になっているのだろう)を頭に付けている子供がちらほら見受けられるのだ。
多分、流行りか何かなんだろう。
作り物だけどその微笑ましさが、車内の空気を一層柔らかくしている気がする。
「…いいですよね〜………美汐もいつか子供ほしいですぅ…」
「そうだな…」
「祐一さんは、子供、何人くらいがいいですか?」
「うーん、男2人に女1人、ってトコだな。2歳ずつ位空いてて。」
「3人ですか〜、はいっ、美汐頑張りますね〜っ。」
「っていうか、二人で頑張らないとだけどな………っておいっ!」
思わず場の雰囲気に流されてしまう所だった…
「ゆ、祐一さんのえっち…、美汐恥ずかしいですぅ〜…」
「そう言う意味じゃ無いっ!」
「ううう、なんだか照れますぅ〜…でも美汐、精一杯頑張りますから…」
「頑張らんでもいいっ!」
「あ、でもあんまり激しいのは怖いです…始めのうちは優しくしてくださいね…」
「…慣れてくれば激しくてもいいのか?」
「…はい、祐一さんがそうしたいなら…」
…違うっ!そうじゃないっ!
だがそう言って、恥ずかしそうに体を小さくしている天野がたまらなく可愛く思えてくる。
…って、『たまらなく』とか使うな、俺っ!
いかん、なんか混乱してきた…
あああ、早く着いてくれぇ………
 
 
 

…嫌な時間ほど流れるのは遅いものだ。その事を思い知らされた気がするなあ…(遠い目)
「うわ〜、たそがれている祐一さんもとっても素敵ですぅ〜。」
「美汐ちゃん、それ買い被りすぎ…」
 
 
 
 
 
 
 

その後も、思い出すのも恐ろしい問答を繰り返した挙句、ようやく駅に辿りついた。
駅から出ると目的地はすぐ目の前にあった。
「へえ、駅からすぐにあるんだな…」
「駅からって言うより、ここに合わせて新しく駅が出来たんだよ。」
「そうなのか?」
「うん。いずれはこの辺りを一大リゾート地にする予定だろう、てお母さんが言ってたよ。」
「そう上手くいくもんなのか…?」
「うーん、この間、関係者らしいお客さんが来てて…設備投資費がどうだとか、経理の人事はこうした方が良いとか、色々相談に乗っていたみたいだったけど…」
「…秋子さんって何者なんだ?」
「私に言われたって分かんないよ…」
 

「…それはともかく、名雪はチケットあるのか?」
「そうだ、…じゃ、ちょっと買ってくるよ。」
そう言って名雪は、人だかりになっている方へ歩いていく。
…ん?
どうもチケット売り場とは違う気がするんだが…
「それにしても、すごい人ですね〜…」
改めて感心したように天野が呟く。
「そうだな…確かにすごいな、これは。」
もう開園時間は過ぎているのだが、駐車場や駅から次々に人がやって来て、入り口付近の混雑は途絶える気配を見せない。
「ねこさんもいっぱいいますね〜。」
ネコの耳の飾りを付けた子供の数も増えた…と言うか激増している。
…小さい子供の流行りというものはやはり良く分からないな…
「…あれ、今、真琴いませんでした?」
「真琴?気のせいじゃないのか?」
「そうですか?」
「ああ、確か友達の家に行くって言っていた気がするし…」
「う〜ん…。…ところで北川?…さんはもう来ているんでしょうかね?」
「そういや…どうだろうな。」
天野に聞かれ、俺は辺りを見回してみる。
名雪達の待ち合わせ時間にはまだ少しあるが、誘った本人がきっちり時間通りに来ると言うのも、良く考えると少し礼儀知らずな気がしなくも無い。
案の定、入り口横の壁に寄りかかってぽつんとしている北川がいた。
遠目にも分かるくらい表情は沈んでいる。
…あれはかなり前から待っているな。
「おおーい、北川ーっ!」
俺が呼ぶのを聞いた北川は一瞬ビクッとするが、隣にいる天野の姿に気づくとほっとした様にこちらへ来た。
「なんだ、お前らもここでデートなのか。てっきり相沢が俺の邪魔しに来たのかと思ったぞ。」
「デートじゃ無いしそんな訳あるか…。名雪が二人だとあれだから一緒に行こうって。」
「そうなのか…」
北川は暫らく考えるようなそぶりを見せた後、こちらを向いた。
「助かった。二人だと何話して良いか分からないからな…」
「やっぱりそういうモンなのか…?」
「どうなんでしょうかね〜…?」
「…そりゃ相沢と美汐ちゃんは完全に恋人同士だからな…」
「違うっ!」
…あれ、北川っていつから天野の呼び方を変えたんだ…?
 

「ま、そろそろ入ろうぜ。」
そこに、まるでタイミングを計ったかのように名雪が戻って来た。
「北川君、はい、買ってきたよ。」
そして、二つ持っていたネコ耳の片方を北川に渡す。
………
「こういうとこ見てると、恋人さんにしか見えないんですけどね〜。」
天野が俺に耳打ちしてくる。
なんか間違っている気がするんだが…
「…つーか、おい、何なんだそのネコ耳っ!」
「ん?ああ、これの事か。どうだ、似合うか?」
平然とした顔で聞いてくるのだが…
…北川、お前、似合いすぎ…
ネコ口と耳が妙にマッチしていて、何の違和感も無くなっている…。
「うわ〜っ、北川さん、本物のねこさんみたいですよ〜。」
「ううっ、ねこだよ〜、一度やってみたかったんだよ〜。」
「そ、そんなに似合ってるか?」
まんざらでも無さそうにするなよ…
「照れるなよ…、ってそうじゃ無くてだな、一体何でそれを付けているんだ?」
「ん、なんだ、知らなかったのか?」
そういって北川は壁に張ってあるポスターを指差す。
良く見ると、同じ物があちこちに張ってあるようだ。
 

「んーと…、『オープニング記念!第1回ネコ耳フェスタ!』
…ネコ耳ってなあ…もうちょっとひねれよ…
『初めまして、私キャッティー・C・クロフォード。キャッティーちゃんって呼んでね!』
…パクリなんだか違うんだかよー分からん名前だな…」
脇に描かれている、顔の潰れたような猫らしきイラストもかなり微妙である。
「『今回は私とあなたの出会いを記念して…』
…オープニング記念じゃ無かったのかよ。」
「…相沢、どうしていちいち一言挟むんだ?」
「………『…そこで4/29〜5/5の間、ネコ耳を付けた方はなんと!入場無料の上1日中乗り放題!』
…ずいぶん豪勢なんだな。」
入り口のすぐ側でネコ耳を販売している辺りがなんともアレだが。
値段あんまり変わらないし。
「な?そういう訳だ。」
「なるほどな…。でもだったら、チケット1枚でも良かったんじゃないか。天野は知らなかったのか?」
「あ、これもらい物なんですよ〜。」
「え、誰に貰ったんだ?」
「えーと、親戚がここの関係者で、それで…いとこに貰ったんです。
『あははーっ、祐一さんみたいなタイプの人は押しに弱い筈ですから、これで一気に攻めたてて落としちゃって下さいねー。』とか言われちゃって。…あ、でも誤解しないで下さいねっ、攻めるとかじゃ無くて、美汐はただ祐一さんとデートがしたかっただけなんですからね〜。」
「…おい、『あははーっ』ってもしかして…」
「美汐は祐一さんが側にいてくれて、二人で同じ時間を共有できて、祐一さんの温もりを感じていられれば…それで幸せなんですからっ。」
「いや、それはありがたいんだが…、そうじゃ無くて『あははーっ』って絶対あの人だろう、おいっ!」
「それにですね〜、ほらっ、ここ見てください…」
天野は俺の上着の裾をくいくいっと引っ張り、ポスターの一番下を指差す。
『但し、中学生以下の方に限定させて頂きます。』
「…なるほどな…。」
…ん、待てよ。
「名雪、北川、これ読んだか?」
「………」
「………」
…なるほど。
 

「どうしましょうかねぇ〜。」
「まあ、たいした額じゃ無いけどな。とりあえず、俺はこのチケットがあるし…。」
「あの、もし良かったら美汐のチケット、使って構いませんから…」
「それじゃあ美汐ちゃんに悪いよ…。………そうだ、美汐ちゃんっ!」
「は、はいっ!?」
名雪はニヤニヤしながら天野の手を取っている。
…またなんか思いついたな…あれは…
「北川君、耳。」
「ん?」
「違う、そっちじゃなくて頭の方だよ。」
「…ああ、なるほどな。」
名雪は心得たと言わんばかりの顔の北川から、猫耳の飾りを受け取り天野の頭に付けた。
「え、名雪さん?」
「うわ〜っ、美汐ちゃん良く似合ってる、可愛いよ〜っ。」
「ほ、本当ですか?」
…確かに似合っている…
大きめのリボン(今日は黄色に赤のラインが入っている奴だ)と妙にマッチして、何とも言えない愛らしさを奏でている。
確かにこれなら中学生でも通用しそうだが…
「ほらっ、祐一、似合っているよねっ?」
名雪は天野の肩をつかみ俺の方に向かせると、背中を押して前に押し出す。
おかげで、至近距離で向かい合う形になってしまった…
 

「あの…祐一さん、どうですか…?」
天野がおずおずと尋ねてくる。
右手を胸に当てて、上目遣いにこちらを見つめながら…
…可愛い…
『ネコ耳を付けている』と言うのも確かにいいとは思うのだが…
それ以上に…
俺の目の前にいる一人の少女が…
「あ、あの…、祐一さん?」
俺が何も言わない事に不安を感じたのか、瞳の色を曇らせながら…
まるで俺の一言が、自分の全てを決定付けると考えているかのような真剣さでこちらを見つめていて…
今までまったく意識していなかったのが嘘みたいに心臓の鼓動が激しくなって…
…いかん、なんか流されてる…
文体までなんだかKanonっぽくなってるし…
せめて『祐一さん、どうです、似合ってますか〜?』とか軽く聞いてくれれば、俺だって軽く返せるんだが…
俺の沈黙を答えと受け取ったのか、天野は小さくため息をついて弱々しく微笑む。
「…やっぱりそうですよね。美汐みたいになんの魅力の無い子なんて…」
「そんなことないっ!」
思わず俺は叫んでいた。
そして、天野の腕を引き寄せて、強く抱きしめていた。
「あっ、…ゆ、祐一さんっ…」
「そんなことない…天野は充分魅力的だよ…」
「…祐一さん…」
そのまま俺は、天野の背に回した腕に力を込めて…
 

……………
………

………今、俺何やった…?
…今俺は、天野に向かってなんて言ったんだ?
………まずいっ!
やっぱり流されてるっ!!
「俺帰るっ!」
「ええっ!?ゆ、祐一さんっ?」
駅に戻ろうとした俺の服を、慌てて天野が掴む。
「…じょ、冗談だって…な、なんつーか、中学生っぽくていいんじゃないか?」
取り繕うように言ってみても、何の効果もあるはずが無かった。
名雪と北川の、『二人の事は温かく見守っているから』と言わんばかりの視線が恨めしい…
………
「ほ、ほら、そろそろ入らないと…」
耐え切れなくなった俺は、慌てて入り口の方に行こうとした。
「ゆ、祐一さん、前っ!」
…ん?
ドンッ!
「きゃっ!」
「うわっ!」
急に何かにぶつかったような衝撃がして、短い悲鳴が聞こえた。
目の前には、尻餅をついているロングウェーブの美少女が1人。
「わ、悪い、大丈夫か?」
慌てて俺は手を差し出した。
「い、いえ………、…って相沢君?」
「……………」
…香里だった。
 
 
 
 
 
 
 
 

−To Be Continued…−

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続きがいつになるかはさっぱり不明です(爆)
忘れ去られる前にはなんとか載せたいのですが…
感想頂けると非常に嬉しいです。それでは。
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