季節が聞こえる公園で


ONE SS。
川名みさき。

では、どうぞ
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    ここに座っていると

    季節が聞こえる

    あの人がいなくなっても

    変わらず流れていく

    季節が聞こえる

    私には聞こえる
 

季節が聞こえる公園で
 

遠くで子供たちが遊んでいる。
暖かい風が吹いている。
梅雨の終わりの風。

浩平君
もう夏が来るよ。

あの日、別れたこの場所で
こうして座っていると
流れていく季節を
はっきり感じるよ。

春の桜の中で突然消えた君
チョコミントの匂い
溶けるアイスの冷たさ
桜の花がかすかに散って舞う音。

あれからいくつもの時が
季節が流れて

桜の花が散る音
葉桜を揺らす風の中
春は通りすぎて

微かな湿った匂い
近寄ってくる雨の音
傘を叩く雨の中
梅雨がやってきて

そして
子供たちの遊ぶ声
暖かい風が
夏を連れてきたこと
私には分かるよ。

だから

「お姉ちゃ〜ん」

子供の声。
誰かを呼んでいる声が。

「ボール、お願いっ!」

足元に転がる
ボールの感触。

拾い上げてみる。
少し革の匂い。
泥の匂い。
そして
日向の匂い。

うん
これはサッカーボールだね。

「…いくよっ」

子供たちの声の方
私は思い切りボールを蹴る。
ポンとはじけるボールの音。
風を切る音。

「お姉ちゃん、ありがとう!」

子供たちの歓声。
風にざわめく木々の音。
全部、私のいる季節
この季節の音だね。
 

だから
 

浩平君
ありがとう

前の私なら
こんな季節が流れていく
それを感じることなんて
出来なかったかもしれない。
知らない場所を恐がって
知った場所だけにいようとして
こんな素敵な場所を
こんな素敵な季節を
私は聞かないまま
過ごしていたかもしれないね。

だから
ありがとう

だけど

浩平君。

約束だよ。
そばにいてくれるって
一緒にいてくれるって
約束してくれたよね。

私、信じてるから。
私、馬鹿だから。
言葉どおりずっと
ずっと信じてるから。

だから

浩平君。

あなたとまた会えるのは
どんな季節の中かな。
どんな季節が聞こえる中で
私、君に会えるかな。

そんなことを思いながら
こうして季節の中で
私は季節の流れる音を
季節を聞きながら

ずっと待っているよ。
私の大切なあなたを。

<END>
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…筆者です。
「仕切り屋・美汐です。」
…やっぱりお前かい…
「皆さん忙しいので、誰も変わっていただけませんでした。」
…やっぱ、コンシューマーは忙しいか…Kanonの他の連中は?
「全年令版で…」
…じゃあ、何でお前がいる?
「わたしは真琴シナリオしか出ませんから…」
……そういうこと?はぅ…
「…で、内容ですが…これがみさき先輩ですか?」
…うぐぅ…一応。でも、何となく口調とか、それらしいでしょ?
「…みさき先輩のフルネーム、さっきあわてて調べていたくせに」
…ぐはっ…いや…茜や七瀬は一発で思い出したんだけど…属性が…あはは inserted by FC2 system