僕は昨日眠れずに、僕の夢を見ている君の夢を見ていた


華月さんに捧げ…たかったけどこんなのなので…はぅ。

とりあえず、どうぞ

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    もしもそうだとしたら

    僕はどうして出会ったんだ

    君はどうして出会ったんだ

    そして

    なぜ

    僕は

    君は

    僕の

    君の

    夢を

    夢で

    見てしまったんだ
 

− 僕は昨日眠れずに、僕の夢を見ている君の夢を見ていた −
 

それは風の渡る丘

それはざわめく麦畑

それは静かな君の家

それは紅い商店街

それは見知らぬ雪の道
 

それは遠い記憶
それはほんの少し前
 

眠れない僕の見る
君の夢を見る
僕の夢
 

僕たちの出会いは
僕と君の出会いは
出会ってしまったことは
間違いなんかじゃない
 

だけど

僕の叫びは届かない
誰にも届きはしない

眠れない僕の
君の見ている
僕の夢

夢の中の声は
誰にだって聞こえやしない
 

だから
 

風渡る丘の上から街を見下ろしながら

暗い夜の校舎で剣を構えて佇みながら

雪明かりに光る窓を一人見つめながら

冷たいベッドで眠りながら街をさまよいながら

白銀の中庭で凍る風を受けながら
 

僕の夢を見て
君の夢を見て
僕を夢に見て
君を夢に見て
 

君を抱きしめて
僕を抱きしめて

一緒に泣きたかったんだ
一緒に笑いたかったんだ
一緒に叫びたかったんだ
ただそれだけだったんだ
それなのに
 

なのに
 

冷たい雨に打たれて
凍てつく雪に埋もれて
凍る月の光に照らされて

僕は眠れずに

僕の夢を見ている君の夢を見る
 
 
 
 

だから
 
 
 
 
 

赦しなどいらない

僕は赦されることはない

僕を赦さないでほしい

赦さないでただ
 

ただ
 

君を

君の

君が
 
 
 
 
 
 

なのに
 
 
 
 
 
 

僕は眠れずに
僕の夢を見ている君の夢を見ていた
 

昨日
夢を見ていた
 

そして
 

泣いた

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