どんな幻燈を見せましょうか?


最初に言っておきますけど…
今回からの雑談シリーズ『幻燈屋さんのお仕事ですっ!』
わたしがどんな風にSSを書いてきたのかについて語るEssay?なんですけど、
これが例えば、自分が何かのSSを書くための参考にしようとか、できるんじゃないかとか、
そういう期待を持たないで下さい
今までの雑文見て分かるように、これもわたしの愚痴なんですから(苦笑)
そんな気持ちで読んでも、後悔するのがオチです。最初に警告しておきます(爆)
 

さて、では、本題。
第1回は、まず、あたり前のとこからまいりましょう。
つまり、何を書くか?ってことです。

いや、そんなの、最初から決まってるんですけどね。
つまり、書きたいものを書く
それ以外、ありえない訳です。
SS書きは職業じゃないですから、それでご飯食べてないですから、自分の望まぬものを嫌々書く理由はありません
そこが職業作家さんとSS書きとの大きな違いです。特権と言うべきかも。
『続き書いてください』とか、『○○を書いて下さい』とか、そういうコメント、感想が来ることもあるけど、はっきり言って、それに応えなければならない理由はないんです。それは相手の勝手な希望であって、それに応じる義務はないわけです。

と言ってしまうと、なんて傲慢なことを、と思われるかもしれません。
でも、書く方は報酬もないのに自分の時間を削って、読む人の何倍もの時間を削って書いています。
人によってはその中に自分をたたき込んで、自分を削って書いている。
そして、それは本人の勝手です。それで報酬を得られるわけじゃない。得られるのは、書き終えた時の満足感くらいでしょう。それさえも、不満に終わるのがほとんどの場合、オチだったりします…わたしの場合。
それと、発表した時の感想、コメント。これも、寂しいものだったりしますしね…はぅ…

でも、じゃあ、そんな感想、コメントを書くのは無駄でしょうか?
いいえ、そんなことはありません

書きたいものを書く。これは絶対にそれ以外ないんですけど、『書きたい』の中身として、『そういう要望に答える』というのも含まれることが往々にしてあるからです。
前のコメントの話で言いました。SSをゴミ箱に捨てて満足する人はいない。見てほしい、感想がほしいと。
その感想の中に、そのような要望があれば、それは書こうというSS書きさんのフォースになります。
ウケるんだったら、書こうかな。SS書きさんなら誰でも、少しはそう思うものです。

だけど、だからって相手が嫌なものを無理に書いてくれることを期待しないで下さい。
また、ウケだけを狙って全然愛せもしないキャラ、全然書きたいとも思わないストーリーを、SSを書く、それはSS書きが絶対にしてはならないことです。

だって、そうじゃないですか。
コメディ、ギャグなら、ウケだけ狙ってもある意味当然ですけど、ほのぼのであれ、シリアスであれ、その他、ウケる、コメントをもらうことはある意味、二の次でしかないはずのSSで、そんな理由で曲げてしまった話、曲げてしまったキャラは、あまりにかわいそうです。
もちろん、作家の常で、それでも書くうちにそれを愛せるかもしれない。そんなこともありますから。
でも、それもできなかったら…そのキャラ、ストーリーは…

忘れちゃいけません。SSは人様のキャラを借りていることを。
自分のキャラをどう弄ぼうと、そんなのはその人の勝手です。殺そうが、汚そうが、不幸のどん底に落そうが、好きにしてください
でも、SSである以上、そこに出て来るキャラは、元になるゲームがあります。わたしたちはそれを借りているだけですよ。
なのに、そんなことをして…どう責任とれますか?
どんな酷い話になっても、中に出ているキャラを、その話を愛して、それで泣きながら、自分削りながら、せめてそんなことしている自分に悩みながら書いているなら、わたしはそれでいいと思う。
それが正しいと思う。他の人からそれがどんな風に見えたとしても、わたしはその人を支持したいです。。
でも、自分でも愛せない話で弄んだキャラ、そしてそうすることで汚してしまったストーリー、そしてそんな話を書く人。これは…

わたしは前に言いました。SS書くってことは、だって。愛することだって。自分の書きたいという思いと同時に、そのゲームを、そのキャラを愛することなんだって。
本当のところ、これ以外にオリジナルではなくSSを書く理由なんて、ないはずです。あり得ないはずです。
単に自分のキャラ立てることができないから、勝手に流用してるだけ、そんな人でない限り。
わたしはそんな人の話、見たいと思わないし、書いてほしくないです。
でも、そうじゃない人が、そんな風に自分の想いを、キャラを、ストーリーを曲げる…
ねえ、それでその愛を全うできたって言えますか?胸、張れますか?元のゲームに顔向けできますか

はっきり言えば、SS書きはSSを書く時に、常に一つのことを頭に入れておかなきゃならないと思います。
基準としておかなきゃならないこと。それは…
それはSSですか?
ということです。
KanonのSSを書くのなら、常に自分に聞いてみてください。
『これはKanonなのか?』
Kanonの登場人物が出てくればKanonのSS。そんな単純な考えもあるでしょう。
でも、わたしはそうは思わない。Kanonのキャラが出なくてもKanonのSSは成立します
逆に、Kanonのキャラだけで作った話でも、読んでみると『こんなのKanonじゃない』としか言えないものもありうる。
その基準は、各々の人が持っているでしょう。
わたしのSSの基準は、ちょっと狭いです。でも、それはわたしの基準であって、他の人全てが適用できないし、する必要もない。
だけど、唯一最低の基準は存在します。存在するとわたしは思っています。
その基準とは、『Kanonが好きだから、キャラが好きだから、それを表現するために書いた』ものであること。
これが最低の、そして絶対の基準だと思っています。わたしは。

上に書いてきたような、自分でも愛せないキャラ、ストーリー。これはその基準すら満たしてないです。
ということは、極論で言えば、そんなものはSSたる資格がないということです。
そんなものを書く人は、SS書きたる資格がないということです。

その上、もっと酷いことに、そんなものを発表してしまったら…もっと絶望することにしか繋がりません。。
それがウケちゃったりしたら、もう最悪です。絶望するしかないはずです。
そんなものでウケちゃう相手の程度に。
そして、そんな相手にそんなものでウケようとしてしまった自分に。
ウケなくても、じゃあウケないのになんでそんなことまでして書いたのか?そんな自己嫌悪に陥るしかないです。
誰も救われない。自分も、相手も、キャラも。

再度言います。
SS書きは書きたい物を書ける。これは特権です。
だからこそ、書きたい話だけ書くべきです。そうしなくてはなりません。
コメント、感想、要望はその支えにはなっても、決して目的ではないし、なってはいけません
それらをヒントに、フォースに、自分に取り込んで、自分の書きたいという気持ちを引き出す種の一つとして、
でも自分が書きたいと思う気持ち、それをぶつけて書く。書かなきゃいけないんです。
それしか、SS書きの書き方なんてないんですから。あり得ないんですから。
そして、そうできるものしか、SS書きは書けないはずなんですから。

さて、そんなわけで書くものは決まりました。
書きたいSS

とはいえ、それにはいろいろなジャンルがあります。人によって得手不得手もあり、また書きたいもの、別に書きたくないものがあります。わたしの場合は、コメディ、ほのぼの、シリアス…まあほとんど書きたいし、書いてる気がします。
そして、各々には共通のベースと、各々に独特の部分があります。
次回からは、ジャンル別にその辺を語ってみましょう。いくつかのわたしのSSを挙げて、メモがあればそこからどう書いたか、なくてもどう考えてどうしたか、どう書き続けたか、どう失敗していったか…まあ、そんな感じでいきましょうか。

では、次回は『ほのぼの』、わたしの本領だと自分では思っている(苦笑)ジャンルから始めましょう… inserted by FC2 system