白い雪・白い翼 (White snow, White wing)

最新シリーズのメモです…
でも、反響がアレだったので、もういいです…さっさと全部公開してしまおう…はあ。



メモ

白い雪・白い翼 White snow, White wing

もう一つのDream/Real
名雪視点。

1月27日
交通事故に遭うのは祐一。
飛び出したあゆを救おうとして。

1月28日
周りの妙な無関心。祐一のことを忘れかけている香里、北川。
しかし、声をかけると祐一のことを聞いては来るが…

病院へ。秋子さんと交代。
眠っている祐一。

夕刻
家に電話。
祐一のことを忘れている秋子さん。
呆然と電話を切る名雪。
看護婦も祐一のことを忘れようとしている…

名雪、病室へ。
自分は祐一を覚えている。
祐一の顔を見ながら、昔を思い出す名雪。
初めて会って…時々遊んで…7年前…
…なぜ祐一は悲しみに沈んでいたのか?
思い出せない…

かたん

ドアが開いてあゆが顔を見せる。

瞬間、名雪の頭に記憶が蘇る。
少女が木から落ちた事故。
泣き叫んで救急車を追う祐一。
呆然とみていた名雪、そして雪うさぎを作って…

名雪、あゆに言う。
あゆ、悲しげに笑って頷く。

ボクは眠っている。あの事故からずっと。
そして、いつの間にか、街をさまようようになった。
ボクはボクの夢。
そして、この世界はボクの夢。

名雪、振り返る。祐一を見る。
そして、あゆを掴む。

あなたの夢?
祐一がこんな目に遇うのがあなたの夢なの?
いったいどうなっているの?
みんなが祐一を忘れていく…

あゆの顔が青白く歪む。

探し物、思い出したこと。
天使の人形。
それを掘り出して、そして…
…願ったこと。祐一くんと一緒にいたい。

名雪、呆然とあゆを見る。
そのために、祐一をこんな目に遇わせたの?

あゆは必死に言う。
違う。
だけど…ボクはもう消えるから。
だから…願った…

だから、道連れにする気なの?
その…
…と、名雪、名前を忘れていることに気づく。
振り返る。
祐一が眠っている。
祐一…だよね?自信がなくなる。
あわてて駆け寄る。顔をさわる。腕を取る。
抱きしめてくれた腕。キスしてくれた口。好きだといってくれた…
嫌だ、忘れたくない、離したくない!

名雪、あゆにつめよる。
やめて!待っていたのはあなただけじゃない!

あゆ、名雪を見つめる。
…分かってるんだ、ボクだって…でも、ボクには止められないんだ…
ボクも名雪さんから祐一くんを取ろうなんて、思ったけど、
でもそんなこと本当にしたくない。
だけど…ボクは消えそうなんだ…そして…

振り返る名雪。
祐一の姿が透けて…

やめて!嫌!
あゆにすがる名雪。
悲しそうなあゆ。
その顔に…

あゆ、名雪を離して窓へ。
そして

一つ、方法があると思うんだ。
それは…
言うと、あゆは窓から飛び降りようとする。

名雪、あわてて駆け寄って、あゆの手を掴む。
窓の下、あゆが名雪を見上げる。

多分、これしか方法がないんだ。
消えてしまう前に…願ったボクが死ねば。
だから、手を離して。

名雪、あゆの顔を見つめる。
そして…

首を振る。
そんなこと、わたしにはできない。
あゆちゃん、しっかりしてよ!ここがあなたの夢だなんて、そんなわけない!
わたしは、この手、離したりしない!

名雪、必死であゆを引っ張りあげる。
あゆ、息をつきながら名雪を見る。
名雪、あゆのテを、顔をさわりながら。
暖かいよ。あゆちゃん。いたかったでしょう?夢じゃないんだよ。
だから、しっかりしてよ、あゆちゃん。
わたしは祐一、好きだけど、あゆちゃんだって好きだから。
大丈夫。わたし、祐一を忘れてないし、あゆちゃんのこと、絶対忘れないから。
だから…
あゆ、名雪の顔を見る。そして、目線を後ろに。
名雪、振り返る。
しっかりと、いる。消えていない。
祐一が眠っている。
名雪、息をつく。

なゆきさん

声に、名雪はゆっくり振り返り

ありがとう

…そこには誰もいない。
掴んでいた腕の温もりだけが…
名雪、あわてて窓の外を見る。下を見る。
窓の下には潅木があるだけで、あゆの姿など…

駆け込んでくる看護婦。物音がしたから…
そして、祐一を見る。祐一を覚えている。
枕元の機械を見て、あわてて部屋を出ようとする。
声をかける名雪。
看護婦、振り返って、
「目が覚めるかも。先生を呼んでくるわ」
駆けていく看護婦。
名雪は祐一の枕元に近寄る。
そして、祐一の顔を見る。
そのまぶたが、動いて…

晴れた日。
名雪、病室のドアを開ける。
祐一がベッドに座っている。
名雪、近寄って抱きついて。
祐一、抱き留めて。
もう動いてもいいと言われた。
名雪、微笑んで、
じゃあ、病院を散歩しよ。
そして祐一を連れ出す。
窓の外、青い空。輝く太陽。
ゆっくりと歩いて、一つの病室へ。
名雪、名札を確かめる。
そして、振り返って

祐一、驚かないでね。

そして、ドアを開ける…
 

お寝坊さんのあゆちゃん。
わたしよりお寝坊さんだね。
朝だよ。
早く起きて…


やっぱり、わたしらしいメモですね…
序盤の7話くらいの分が全体の2割も占めていなくて、最終3話のメモが全体の8割くらい…

でも、この場合は、最初の1行『もう一つのDream/Real』という一言で序盤はメモなど要らない、
あとはクライマックスまで書ける、という自信があったので…
…名雪の感情が暴走気味なおかげで、あゆのこと、7年前のことを思い出すタイミングが
メモからずれてしまいましたが。
でも、それを名雪の夢として書いたところが、D/Rのようでそうじゃなくて、逆によかった気がします。

そして最後のクライマックス部分は、ほとんどメモのとおりだってことがわかると思います。
書き方としては、このメモを必要な分エディターで切り取って、見ながらSSを書いていって、
書いた分のメモは順次消しながら次の場面を書く…
だから、書き終わると、メモはすっかり消えてSS1話分が完成しているという感じですね。
こうすると、書き残しもなく、伏線も消化される…メモに伏線が書いてあれば(苦笑)
だから、メモと言うよりも、下書きに近いものがありますね、会話まで書き込まれているクライマックス部分は。

この書き方はD/Rの頃からも変えてないのですが、あの頃はメモをその話数分、別ファイルに分けて書いて、
それぞれを消しながらSSを書いていたので、書き終わった時にはメモは残らなかったのです…
F,Fからはこんな感じで、全体のメモを書いてからそれを切り貼りするようにしたので、こうして残るようになりました。

このメモに関しては、これとD/R、そして…まあ、F,F/OSを参考にすれば、誰でもW.Wは書けると思います。
ただ、多分、全然違う作品になると思いますが…
ああいうキャラの感情暴走系の、状況説明すっとばし舌足らずSSを書くのはわたしだけでしょうから(苦笑)
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