Eine Kleine Naght Musik 2…Und Tag


舞SS。実験作。エピローグ。

では…

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Eine Kleine Naght Musik 2…Und Tag
 

…オレは目を開けた。
白い壁が見えた。
四角い窓が
そこからさす日の光がまぶしくて
オレは目を横にやった。

そこに舞がいた。
舞がオレを見ていた。
白いシーツの上
ベッドに寝ているオレの
オレの手を握って
優しい瞳で
その目に涙がたまって
落ちるのを見た。

「…舞?」

オレは声をかけた。
舞はオレの顔を見た。
優しい瞳がオレを見た。
暖かい手がオレの手を
しっかりと握った。

「…気がつきましたね。」

明るい声に目をやると
そこに佐祐理さんがいた。
いつものように笑い顔で
オレたちを見ていた。
そして

その後ろに舞がいた。
頭に包帯を巻き
右腕のギブスを首から釣って
杖を突いた舞がいた。
包帯に隠れそうな
でも大きな瞳が
優しい瞳が
オレたちを見ていた。

「…祐一さん。これから、もっと賑やかになりますねー」

佐祐理さんが言った。
オレは佐祐理さんを見た。
それから舞を
二人の舞を見た。

そして、笑った。
折れた腕が痛かったけど
思い切り笑った。

そして佐祐理さんが
舞が
舞が
笑った。

みんなで笑った。
日の光で明るい病室で
オレたちは笑っていた。

<END>

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…筆者です。
「仕切り屋・美汐です。」
…これにてEine Kleine Naght Musik 2 終了。
「…結局、あなたは自分の心の揺れを、こんな形で発散しただけですね。」
…そうだよ。
「…そうして、救い…」
…ストップ。それでなくても、オレは後書きで解説的に書き込みすぎて不評買ってるんだ。だから、逆にそれを利用して実験作を書いた。形式としてはそれだけ。ただ、中身については…話をして語らしめよう。今度こそ。だから…これまた不評の、オレの思い入れの代わりに、Eine...第1作を最後につけよう。後書きの代わり。ま…再録だけど、もう消えてるんだから…許してもらおう。では…

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