Forget me, Forgive me

(Forget me, Forgive me / Original Side-Epilogue)


栞&あゆSS。ネタバレあり。

シリーズ:Forget me, Forgive me / Original Side

では、どうぞ

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        何を望んでいたのだろう

        何を願っていたのだろう

        何に祈っていたのだろう

        そして…

        何が

        誰が

        なぜ

        残ったんだろう
 

Forget me, Forgive me (Forget me, Forgive me / Original Side-Epilogue)
 

冷たい雨が降っている。
わたしは立ち尽くしている。
目の前の小さな白い
墓を見つめながら

わたしは目が覚めた。
あの夜の後。
ベッドの上で
白いシーツに包まれて

見知らぬ病院だった。
わたしはいつの間にか移されて
お姉ちゃんがわたしを見て
涙で濡れた瞳で
にっこり笑っていた。

何が起こったのか
わたしは知らない。
新しい治療法
新しい薬
新しい手術
医者はそう言って
得意そうに笑って

だけど

わたしは知っている。
わたしは信じている。
本当のことを
この世界の真実を
たった一つの真実を

わたしは退院して
この街に戻り
あの病院に行って
この場所にたどり着いた。

ごめんなさい
あゆさん
わたし一人が残ったね。
やっぱり、奇跡は一つだけだった。

小さな白い石に
彫られたあなたの名前
わたしの夢を見てくれた
あなたの名前

約束だから。
あの夜の約束。
わたしはあの人と生きて
幸せにして
幸せになって

そして忘れさせる。
あなたのことは
口に出すことはない。
それが約束だから。

でも
ちょっとだけ
ほのめかすような
おとぎ話だけは
するかもしれません。
それぐらいは
許してください。

だけど
一つだけ

ごめんなさい

わたしは忘れない。
あなたのことを
わたしは忘れない。
忘れられるはずがない。

あの夜
酷い現実の中で
冷たい現実の中で
たった一つの夢を
一緒に信じた
あなたのことを。

だから

わたしはこの世界で
このあなたの夢の中で
あの人と一緒に
生きていくから

だから

冷たい雨の中
傘に降る雨音の中
わたしはしゃがみこんで
手を合わせて

あの夜
あなたとしっかり繋ぎ
誓った手を
合わせて

「ありがとう」

「そして」

「ごめんなさい」

<END>

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…筆者です。
「仕切り屋・美汐です。」
…これにてForget me, Forgive me / Original Side終了。
「ジェットコースターじゃありませんでしたね。」
…所詮は、F,Fだから。もう、一度は書いたからね。そして、まだ残ってるから。F,F/Sが。
「焼き直し、ですしね。」
…次作の自分での焼き直し。でも、これがOriginalだったから。さあ、行こうか。
「どこへです?」
…次の幻燈に。オレのガラス玉たちが光る幻燈へさ。お前も…そうだから。

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