Don't touch Baby! (にんぎょひめの娘たち-4)


真琴系SS

実感ほのコメと呼んでください(苦笑)
でも、今回こそはほのぼのだけかも…

シリーズ:にんぎょひめの娘たち

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前置き

この物語はフィクションです。
Kanonの登場人物以外の名前、および物語内の出来事に関して
現実の何かに似ていると思われる事物があったとしても
それは偶然の一致です。
ええ、そうですともっ(涙)

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Don't touch Baby! (にんぎょひめの娘たち-4)
 

「ただいま」
それはちょうどオレが会社から帰ってきた時だった。
「祐一〜〜〜」
奥から真琴の呼ぶ声。
「ん?なんだ?」
オレはともかく廊下を歩いて、リビングを覗きこんだ。
「…何してるんだ?」
「ちょっと、真美、連れてって〜」
真琴は右手で紗梨を抱え、左手で手を伸ばしている真美を押さえるようにしていた。
「…なんで?」
「いいから、ともかく真美を捕まえててよぅ…」
「…分かった。」
オレは真美に近寄ると、体に手を回して持ち上げた。
「何してるんだ、真美?」
「あ、パパっ!」
真美はその時、はじめてオレに気がついたらしく、オレを見てその大きな目を見開いた。
そして、オレに抱きついた。
「パパ〜〜〜、ママが意地悪するのぅ!」
「ママが意地悪?」
「うん!」
オレは真琴の顔を見た。
真琴は口をとがらせると、オレを見上げて首を振った。
「違うのっ!真美がね、紗梨を…」
「紗梨をどうしたんだ?」
「だからね…」
真琴は紗梨を両手で抱くと、
「真美、紗梨の面倒を見ようとするのよ…」
「…いいじゃないか。それなら。」
「ね?真美、お姉ちゃんだもんね!」
真美も得意そうにオレを見る。
でも、真琴はため息をつくと、
「…それが、ちゃんとしてればいいんだけどさぁ…」
「…というと?」
オレは真美と真琴の顔を交互に見た。
「真美、お姉ちゃんだから、赤ちゃんのお世話するのっ!」
「…あぅー、お世話になってないのよぅ…」
「…あぅー」
二人とも、オレを見て口をとがらせた。
…どうでもいいけど、ホントに似てるよな、お前ら…
「…どこがどう、お世話になってないんだ?」
「だからね…例えば、今、あたしが紗梨におっぱいあげてたんだけど…」
「うん?」
「ほら、飲ませたら、ゲップさせるのに、背中ポンポンするじゃない。」
「おう。」
「それ、真美がやるっていうのよぅ…」
「…それの何がまずいんだ?」
オレは真美の顔を見た。
真美は満面の笑みで頷いた。
「真美、ポンポンしてあげるのっ!」
「…それがさあ…」
真琴は紗梨をあやしながら
「まあ、赤ちゃんの持ち方は、ちょっとはよくなったんだけど…ポンポン叩くのも、気をつけて弱くしようとするんだけど…」
「…だけど?」
「…出ないと、どんどん叩くのよ。それも力入れて…」
「…おいおい。」
オレは真美の顔を見た。
真美はニッコリ頷いた。
「大丈夫っ!真美、お姉ちゃんだから!」
…何が大丈夫なんだよ…
「ともかく…あたし、ミルク作るから、真美見てて?」
言うと、真琴は立ってキッチンへ。
そしてガス台にやかんを掛けると
「…それにね…」
「まだあるのか?」
「うん。真美が寝てるじゃない…」
「おう。」
「赤ちゃんって、手、バンザイして寝るじゃない?」
「そうだな。」
「真美…必ず、紗梨が今やっと寝たなって時に限って、紗梨のとこに行ってさぁ…」
「…で?」
「『風邪ひくよっ!』て言って、手をふとんの中に入れるの…」
「………」
「やっと寝たのに、目、覚ましちゃうのよ、紗梨…」
「……なるほど。」
オレは真美の顔を見た。
「…真美。」
「なあに、パパ?」
オレは満面の笑みを浮かべた真美の顔を見た。
…なんて言えばいいのかねえ…
「…真美はお姉ちゃんだな?」
「うん!」
真美は大きく頷いた。
「…でも、紗梨はママの赤ちゃんだから、ママに任せな。」
「…え〜〜〜、嫌。」
「………」
…これ以上、なんて言えばいいのかね…
「それだけじゃなくて…」
真琴はオレを見上げて、続けて
「紗梨が寝てると、『寒いでしょ』って上からまた毛布かけるし…」
…おいおい
「遊べるようにって、人形をどんどん載せるし…」
…おいおいおい
「前なんか、自分のおっぱいあげようとしてたのよ…」
…それは無理だわ。
オレは真美を見て、真面目な顔を作っていった。
「…真美。お前はお姉ちゃんだから、おっぱいはあげられないぞ。」
「そうなの?」
「おっぱいあげられるのは、ママだけだ。」
「そうなんだ…」
真美はちょっとがっかりした顔になると、
「…真美もママになれば、赤ちゃんにおっぱいあげられる?」
「おう。」
「どのくらいしたら?」
「そうだな…10年くらいしたら、かな?」
「そうかっ、10年したら、ママになれるんだ!?」
「…そうだな。真美のママも、そのくらいの年でパパと初めて…」
「こっ、子供になに言ってるのよっ!」
ばこっ
…まことに叩かれた。
「なんだよ…」
「恥ずかしい事言わないのっ!」
「別に恥ずかしいこと…」
「恥ずかしいでしょっ!もう…この、オヤジっ!」
ぱこっ!
「…オヤジ…」
…何でそこまで言われなきゃならない?
「なんだよ!」
「なんだよ、じゃないわよぅ!自分の娘にオヤジな話を…」
「オヤジな話って何だよ?」
「それは…あたしたちの、初めての…」
「…真琴?」
真琴は真っ赤な顔になって、オレを見ていた。
…真琴、誤解してる?
「…真琴。お前、勘違いしてないか?」
「え?」
「オレはただ、お前と再会したのがその頃だって…」
「…え?」
真琴はオレをまじまじと見た。
そして、目を見開くと…
「…あぅー」
真っ赤になって、キッチンの影に隠れた。
オレは苦笑しながら、真琴を追ってキッチンへ。
「…真琴。」
「………」
真琴は冷蔵庫ノ顔を付けるようにして、オレに背中を向けていた。
オレはそんな真琴の肩を持つと、こっちに顔を向けさせた。
「…真琴…」
「…えっと…」
真琴はわざと目をそらすように、天井を向いた。
その顔が赤かった。
オレは、そんな真琴の恥ずかしそうにしている顔に
懐かしい、出会った頃と変わらないそんな顔に顔を寄せて…
「…こらっ、見ちゃいけません。」
「……!」
オレたちは振り返った。
そこに真美が立っていた。
真美は紗梨を抱えていた。その顔をオレたちからわざと逸らすように…
「さ、パパ、ママ、赤ちゃんは見てないから、どうぞ。」
真美はオレたちを見上げて、ニッコリ微笑んだ。
ピ〜〜〜〜〜
その時、ヤカンの沸く音が、キッチンに響いた…
 

相沢祐一
相沢真琴
5才の娘に気を使われる…
 

「……真美っ!いいから、あっち行ってろっ!」
「…はあい…」
「…まったく…」
「…祐一…」
「なんだよ。」
「…真美に紗梨、任せるの?」
「…あっ!ま、待て!真美!」
「……まったくぅ…」

<to be continued>

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…筆者です。
「仕切り屋・美汐です。」
…フィクションです!
「というか、今回のはコメディじゃないでしょう。」
…まあ、今回はほのぼのってことで。あはは。今日は忙しかったから…資料作らなきゃいけなくて…
「といいながら、これを書くと。
…えっと…ネタ、仕入れたとこだったから(苦笑)さて、あとはクリスマスまでにクリスマスものを書かないとね…明日、必ずっ!
「…仕事、してください。」
…その上、明日は飲み会だし…無理かな…あ、でも、12/23って休みでは?書けるかも…

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